
サン・モリッツは、チューリッヒから南東に列車で3時間ほど。グラウビュンデン州のエンガディン地方にあります。エンガディンとは、スイス第4の公用語ロマンシュ語でインの庭という意味です。アルプスのマローヤ峠付近が源流のイン川(ロマンシュ語でエン川)が流れるこの地方には、小さくて素朴な山村が点在していますが、サン・モリッツはこの中で唯一の街といえます。サン・モリッツ湖はイン川が西から流れ込み、東へ抜けてくいく過程に出来たアルプスの美しい湖。4キロほどの周囲は散歩道として整備されているので、是非散策してみて下さい♪
ちなみに、イン川はオーストリアに入り、チロル地方を東にインスブルックの街を流れ、ドイツのパッサウでドナウ河に注ぎます。ドナウ河に注ぐ前には、ザルツブルクを流れるザルツァッハ川がイン川に流れ込みます。地図を見ながら川の流れを見ると楽しいですね。こちらイン川の流域地図です。
サン・モリッツに話を戻しましょう!サン・モリッツからは、4つの展望台へアクセスが簡単。ピッツ・ネイル展望台(3022m)は湖の北西。街の中心から30分で到着します。コルヴァッチ(3306m)は南西側でベルニナアルプスの最高峰ピッツ・ベルニナ(4049m)を間近に望む迫力ある展望台。ディアヴォレッツア(2973m)は湖の東南方向、コルヴァッチの反対側にある展望台です。ムオタス・ムライユ(2454m)はサン・モリッツ湖の北東にあり、サン・モリッツの街全体とマローヤ峠まで4つの湖を見渡せます。セガンティーニが愛した風景としても知られています。お好きな景色に出会える展望台へどうぞ!
ムオタス・ムライユMuottas Muraglからの眺め 夏 イン川に沿って湖が見えますね♪

展望台でアルプスの雄大な景色を楽しまれたら、セガンティーニ美術館へ足を運んでください。ジョバンニ・セガンティーニ(1858-1899)は、アルプスに近い北イタリア・トレンティノ地方のアルコ(当時はオーストリア領)に誕生。5歳で母を亡くし、父は幼い彼を残し、成功を夢見てアメリカへ行ったきり帰ってこなかったといいます。苦労してミラノで画家となったセガンティーは、アルプスを愛し、結婚後コモ湖畔の村プジアーノに居を構えます。アルプスへの憧憬は強くなる一方で、31歳1886年にスイスに移り住みます。いくつかの村を転々とし、最終的にはマローヤに住み、製作に専念したそう。彼の描いたアルプスの絵画を是非、セガンティーニ美術館でご覧ください。日本では、倉敷市の大原美術館が「アルプスの真昼」1892年を所蔵しています。
さて、次はお土産のお勧めです。3ヶ月は日持ちする胡桃のタルトは如何でしょうか?エンガディナー・ヌストルテ(Engadinar Nusstorte)もしくはビュンデュナー・ヌストルテ(Bundner Nusstorte)と呼ばれ、約200年前にイタリアから伝わりました。タルト生地にキャラメルとクルミがぎっしりと詰まっていて、どっしりと腹持ちがします。この味が嫌いな人はいないと思います。サン・モリッツ(St. Moritz)の菓子店コンフィセリー・ハンゼルマン(Confiserie Hanselmann)のものは絶品と評判です。18センチ(約480g)のもので19スイスフラン(約1900円)。映画シャレードの撮影で訪れたオードリー・ヘップバーンもこの店がお気に入りだったようです。
中.jpg)
Confiserie HANSELMANN
住所 viaistra 8 CH-7500 St.Moritz 毎日7:30~19:00 open
サン・モリッツは、高級リゾート地と呼ばれていても、のんびりとしています。地形から年間300日以上も晴天のサン・モリッツに是非1泊してみてくださいね。
スイスエクスプレスでは、お客様オリジナルのご旅行のご提案をさせていただいております。必要な場所だけ、日本語ガイドやお車の手配をいたします。気になりましたら是非一度お問い合わせください。秋のスイス、綺麗ですよ。