スイス&アルプスで出会う動物たち【まとめ】


スイス・アルプスにハイキングや登山に出かけるとほぼ必ず出会うのが動物たち。スイス観光のおみやげには旅で出会った動物たちにちなんだものを選んでしまうかもしれません。今回はスイス・アルプスで出会う動物たち、さらに特定の動物に出会えるお祭りや観光スポットについてご紹介いたします。
  
 
【 牛 】
Jungfrau, Lauterbrunnen, Switzerland -  photo by Svetlana Gumerova
Cattle descent, Almabtrieb
 
お土産の定番でもあり、現地のスイス人も大好きなスイス名物と言えば「チーズ・ワイン・チョコレート」。スイス料理の定番と言えばチーズ・フォンデュ。そしてアルプスで暮らす人々にとって最も大切な伝統行事といえば、チーズ作りの仕事を終え、9月の上旬に一斉に山から降りてくる牛たちの行進「アルプアプツーク(Alpabzug ※別称 アルムアプトリープ Almabtrieb)」です。スイス・アルプスでハイキングに出かけると一番多く遭遇するのもやはり牛です。スイス人にとって生活上もはや不可欠なパートナー、それが牛です。スイスにいる牛のなかには際立った特色を持つ牛もいますので、以下、もう少し詳しくご紹介いたします。
 
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【 牛(2)ハイランド種(独:Schottisches Hochlandrind)】
Highland cow, Lucerne, Switzerland
 
放牧されている牛の中にはスコットランドが原産のハイランド種のものもいます。特徴的なのはおっきな体、とても長い体の毛、ロックスターを彷彿とさせる独特なヘア・スタイル。実物を目にし、それ以来ファンになってしまったという観光客が後を絶たない、癒し系の牛です。
 
 
【 牛(3)エラン種(仏 & 英:Hérens, Herens /独 Eringer)】
Two cows fighting, Switzerland
 
スイス南部のヴァレー州(Valais)ではエラン種(Hérens)の雌牛によるの闘牛大会(Hérens national cow fighting championships)が毎年5月に州都シオン(Sion)近郊のアプロ(Aproz)で開催されます。2020年は5月9日と10日に開催予定です。この品種の牛は気性の荒さで知られ、平均体重は雌牛だと500〜600kg程度、大きめな体格をしています。この伝統的な大会で優勝した雌牛には最大35,000スイスフラン、つまり日本円で約380万円という高額の売値が付くので、大会へエントリーする農場主や酪農家にも熱が入ります。この牛、夏場は山の上に放牧されます。特に赤い服を着ていると付いてくることもあるので、山でこの黒い牛を見かけた際には注意が必要です。
 
 
【 アイベックス(英:Ibex, Alpine ibex /独:シュタインボック Steinbock)】
Alpine ibex - photo by homar
 
高山に生息する山羊で「アルプスの王」とも呼ばれるアイべックス(ドイツ語ではシュタインボック)。大きな角が特徴的です。この動物は偶然山にいるところで出くわすしかないレアな動物ですが、今回は会える可能性の高いスポットを2カ所、以下、ご紹介いたします。
 
《アイベックスに会える場所①:スイス国立公園》
アイベックスはスイス南東部のエンガディン地方(Engadin)にあり、スイス本来の自然を体験できるスイス唯一の国立公園「スイス国立公園(National Park)」に最も多く生息しています。国立公園へのアクセスは、サンモリッツ(St. Moritz)から電車で一時間弱かけてツェルネッツ駅(Zernez)まで移動し、そこから公園へはバスでの移動が便利。駅に到着したらまず徒歩約5分のところにある国立公園のインフォメーションセンター(ビジター・センター National Park Center/Visitor Centre Swiss National Park)に寄り、そこで国立公園のハイキングルートの地図やバスの時刻表などをもらうのもオススメです。
 
《アイベックスに会える場所②:ポントレジーナ》
最大規模のコロニーはポントレジーナ(Pontresina)近郊の山、ピッツ・アルブリス(Piz Albris)にあります。森林限界の上に雪が残る4月末から6月初旬までの間は麓の谷にアイベックスたちが下りてくるため、この時期のポントレジーナはアルプス屈指の野生動物ウォッチング・スポットとなります。この時期に双眼鏡や望遠鏡、カメラなどを持って集まってくる多くの愛好家と一緒に「王」の姿を鑑賞するのもまた一興です。ポントレジーナには世界遺産の景観美・渓谷美を有する路線ベルニナ(Bernina)線に停車駅があり、この駅には観光に特化した特急列車のベルニナ急行(Bernina Express)も停車します。
 
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【 ヤギ 】
Playing goats during summer vacation, Switzerland
Adorable child is cuddling a baby goat, Switzerland
 
1974年に放送開始となったアニメ『アルプスの少女ハイジ』。当時制作に携わったメンバーのうち、ハイジのキャラクターを描いた作画監督の小田部羊一さん(82)や担当プロデューサーの中島順三さん(81)らが今年の9月31日に再訪したことで最近再び話題となった、物語の舞台のスイス・マイエンフェルト(Maienfeld)。チューリッヒから電車で合わせて一時間程度のこの地にはハイジにちなんだ施設が複数あり、そのうちのひとつ、ハイジたちが冬の間滞在した村のモデルである「ハイジの村(Heididorf)」には至近距離で触れ合えるヤギたちがおり、ハイジ・ファンのみならず家族連れにも人気な観光スポットとなっています。
 
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【 ヤギ(2)アッペンツェルのヤギ(独:Appenzeller Ziege)】
The cattle market (Appenzell) - photo by mojala
 
ザンクト・ガレン(St. Gallen)から南に約20kmのアッペンツェル(Appenzell)には角がなく、長い白い毛を持つ独特のヤギがいます。秋の初めに山から牛たちが一斉に降りてくるアルプアプツークの際、アッペンツェルではこのヤギたちが子供たちと一緒に先頭を行きます。またこの地域で生産されるチーズ、アッペンツェラー(Appenzeller)は香りが特徴的でお試しの価値あり、お土産としてもオススメです。
 
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【 ヤギ(3)ヴァリスの黒首ヤギ(独:Walliser Schwarzhalsziege)】
Black mountain goats parade through Zermatt
 
ツェルマットでは夏の間に朝9時頃と夕方4時30分頃の2回、メインストリートである駅前通り(Bahnhofstraße)をおよそ50頭の「ヴァリスの黒首ヤギ」が行進する「ヤギの行進(Geissenkehr)」が行われます。これは夏の農家の日常的な習慣だったものがいつの間にか観光客の間の評判となり今日に至りました。2020年の行進予定は6月27日から8月14日までです。
 
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【 マーモット 】
Marmot in the Alps
 
滞在中のアルプスで「ピーピー」という笛のような甲高い声を耳にしたらそれはおそらくマーモットの声でしょう。しかしその姿をいざ写真で収めようとしても警戒心が強いためなかなかうまくいかない、カメラ好き泣かせの動物でもあります。一方ハイキング客の多い地域ではあまり人に警戒しません。一例として「アルプスの真珠」とも形容され、スノーボーダーに人気なサース・フェー(Saas-Fee)市内では、駅前のレストランで売っている人参を持って巣穴の前で待つと、顔を出して食べる、人懐っこいマーモットに出会えます。
 
 
【 セントバーナード犬(英 & 仏:St. Bernard / 独:Bernhardiner)】
St Bernard, Switzerland - photo by b1-foto
 
スイス5大名峰のひとつマッターホルン(Matterhorn)を眺める展望台があり、周囲の景観も素敵なゴルナーグラート(Gornergrat)。ツェルマットからの人気鉄道(Gornergratbahn)を利用し到着した駅ではさっそく(冬場を除いて)名物犬のわんちゃんがお出迎えしてくれますが、そのわんちゃんもスイスの国民的アイドル犬であるこのセントバーナードです。『ハイジ』に登場する「ヨーゼフ」のモデルのこの犬は、遭難救出犬としての活躍が目覚ましく、またスイスの山岳部では樽とぶら下げている姿をよく目にします。この樽の中身、実はラム酒やブランデーなどのアルコール度数の高いお酒。これは発見した遭難者にまず飲ませるため、そしてアルコール作用により遭難者の体を温め遭難者の生存可能性を高めるためであり、いわば山岳救出の必需品を携帯しているわけなんです。
 
※ゴルナーグラートの夜空(絶景)に関してはこちらから👇
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【 馬(1)- 競馬 - 】
White Turf 2015, St. Moritz - photo by .r84
 
冬、凍結したサンモリッツ湖畔(St. Moritzersee)の氷上へ雪を敷き詰めることで誕生する時期限定の珍しい競馬場がサンモリッツ競馬場です。競馬場のコースはその外観から「ホワイトターフ(White turf)※ターフは英語で''芝''の意味」という名で親しまれています。ヨーロッパのセレブたちが集うサンモリッツで開催されるこのホワイトターフはレースの情景が世界一美しい競馬と言われています。
 
※ホワイトターフの詳細はこちらから👇
※前回2019年年度ホワイトターフ観戦ツアーはこちら👇
 
 
【 馬(2)- 馬車 - 】
The horse, Zermatt - photo by pasja1000
 
マッターホルン(Matterhorn)山麓にある人気観光地ツェルマット(Zermatt)。市内を走れるのは電気自動車(EV)と馬車のみなので、この地で馬車に乗る観光客が多い。スイス国内において他にもエンガディン地方(Engadin)のロゼック谷(ロゼッチ谷 Val Roseg)など車の利用が禁止されているところでは、交通手段として馬車を利用するのがとても便利です。
 
※冬のツェルマット観光の一番人気ツアーはこちら👇
 
 
【 熊 】
A brown bear of the Dählhölzli zoo in Bern - photo by Tambako The Jaguar
 
スイスの首都ベルン(Bern)の街の名前の由来はドイツ語の「熊(Bär)」であり、これは街の創始者が12世紀に街をつくったとき最初に捕まえた動物が熊だったから、と言われています。今日に到るまでにベルンの街のシンボルとしてすっかり定着した熊。市内には会える施設がいくつかありますが、中でも市内のほぼ中心部にあり、1513年から熊を飼育し続けている「熊公園(Bärenbraben)」はイチオシです。
 
※ベルンの見所 TOP5に関してはこちらから👇
 
 
【 白鳥 】
Swan, Switzerland - photo by Kuyakuyz
 
スイス中部にある「水の都」ルツェルン。湖を取り巻くように街が形成されており、透明な湖を泳ぐ白鳥たちが印象的な街です。白鳥たちはとても観光客慣れしており、人が来ると食べ物目当てに寄ってきます。
 
※ルツェルン湖のクルーズ観光についてはこちらから👇
 
 
【 豚 】
Luckypig (Herdern, Switzerland) - photo by Pascal Debrunner
 
「チーズ天国」であるスイスは「ハム天国」でもあり、種類豊富で美味しいハムが盛りだくさんの国です。そのハム作りとしても多く利用される豚は、スイスの農家で飼育されている代表的な家畜のひとつです。ちなみに豚などの家畜を実際に飼育しながら昔ながらの家畜農家の生活を再現し、スイスの伝統行事を気軽に体験できるプログラムを複数用意しているのがバレンベルク野外博物館(Ballenberg Freilichtmuseum)で、この博物館は青緑色の湖で有名なブリエンツ(Brienz)から電車を使って30分程のところにあるオススメの博物館です。
 
 
【 羊 】
Black nosed sheep - Zermantt, Valais, Wallis
 
ぬいぐるみのようなふわふわの毛と黒い鼻をもつのが特徴的なヴァレー地方の羊(Walliser Schwarznasenschaf)。粘土を材料として作成されたアニメ『ウォレスとグルミット』に出てくる羊のモデルはおそらくこの羊です。例年約1000頭ほどの羊が参加し群れをなす情景が圧巻の「ゲンミ峠の羊飼い祭り(Schäferfest auf der Gemmi)」では、この世界一かわいい「顔だけ黒い羊」たちにも出会えます。次回の開催予定は2020年7月26日です。会場であるダウベン湖(Daubensee)へのアクセス方法としては、アイス・クライミングなどのウインタースポーツや登山及びハイキングの拠点として有名なカンダーシュテーク(Kandersteg)、あるいは温泉リゾート地ロイカーバート(Leukerbad)からケーブルカー(ロープウェイ)で行くのが便利です。 




以上、スイスで出会う動物たち【まとめ】でした!


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